大阪湾に向かった窓からのビューがすごい大阪住まい公社の物件、ただいまリノベーション中! 部屋の一部分だけを自由に変えられる部屋というコンセプトで、「アクセントウォールプラン」「L字型壁プラン」、2つのプランを考えてみました。
カスタマイズできる壁を使って、実際にモデルルームをつくっちゃいました。 カスタマイズOKの賃貸はありうるか?
自分が住んでいる家をまず見渡してみて欲しい。
うすらピンクの壁紙に、木目柄プリントのフローリング、プラスチックでできたバスルームやパーツの数々・・・。僕らの家の表面は石油加工製品に囲まれている。
賃貸マンションのほとんどがこんな仕様で、メンテナンス性や価格の問題から、どうしてもこうなってしまう。さらに、壁や棚を付けたくても、色を塗りたくてもそれはかなわぬ夢。あくまで供給者側の理論によって構築された内装には、手を出せないのがこの国の賃貸事情だった。
しかし今、状況が少しずつかわりつつある。R不動産やOpen AにもDIYやカスタマイズ賃貸をつくる相談が舞い込むようになった。東京R不動産でも紹介した、部屋のある壁一面だけ自分の好みの色や素材に変えられるという物件は大人気だった。少しずつ、自分好みの空間をつくる。日常の延長でインテリアをファッションのように楽しみたい人々は増えてきている。
半分解体、ざっくりスケルトンのキャンバス空間
キッチンから先は床壁を撤去してスケルトンに。玄関〜廊下の灰色の部分は一切手を加えない。(画像をクリックすると拡大してご覧いただけます) 大阪港のこの物件もやはり、既製品によって埋め尽くされた普通の物件だった。せっかくの窓からの眺めも、和室と洋室の間仕切り壁によって分断されていた。バルコニーの奥行も十分広いのに、これではちょっともったいない。
提案したのは、家の半分、窓側を大胆にブチ抜くハーフリノベーションという考え方。リビング側のみ、床壁を撤去し、躯体現しにし、玄関側の半分は一切手をつけない。
ちなみに、これが解体前と後のビフォーアフター。風景の抜けと、空間の広さの体感がかなり違う。
既存間取りの窓側は和室+洋室の2室に割られ、せっかくのビューもこれではもったいない・・・。 窓と窓の間にあった間仕切りを取り除くと、壁によって分割されていた橋の景色がつながった。 さらに、窓に面したリビングダイニングの仕上げは躯体の素地を活かした仕上げ。
まるで絵を書くキャンバスのようなまっさらな空間。住み手が自由にライフスタイルを描ける余地を残している。
ありきたりな水回りだが、使いやすいし、きれい。わざわざ取り替える必要のないものは残した。 一方、トイレやバスルームには思い切って手をつけない。水回りを改造すると大袈裟な工事になってしまうし、まだ十分にキレイでもったいない。
カスタマイズOKの賃貸住宅
「アクセントウォールプラン」はリビングダイニングの戸境壁を一面カスタマイズできる壁に。(画像をクリックすると拡大してご覧いただけます) 半分だけ解体してスケルトンになったリビングダイニングには、住み手が少しずつ空間に手を加えられるヒントをいくつも散りばめた。スケルトンといっても、そのままでも気持ちよく住めるように最低限の床や壁の仕上げ。けれど、過度に作り込みすぎない。そこから先は、あくまで住み手の想像力に委ねられる。
例えば、「アクセントウォールプラン」は、壁一面カスタマイズ可能な壁が特徴。戸境壁一面に合板を貼ってあり、ビスもみも色を塗ってもOK。(※ただし退去時には現状回復のルールに沿った費用負担があります。)
15mmの合板なので棚などを付けるときの下地補強の心配もない。
「L字型壁プラン」は約20帖の巨大なワンルームを、L字型の壁によってゆるやかに区切った。(画像をクリックすると拡大してご覧いただけます) 上図の「L字型壁プラン」は、ゆるやかに空間を区切る背丈サイズのL字型の壁がポイント。光と風を通しながら、ゆるやかにキッチン、書斎、リビングダイニングをゾーニングしている。壁というより、家具に近い。L字壁は、テーブルや収納家具をレイアウトするガイドになったり、棚をつけたり、空間の使い方のイメージをかき立てる。
またこちらもカスタマイズ可能な壁となっていて、引き渡しの状態はラフに合板仕上げとなっている。もちろん合板のままでもワイルドだが、塗装やクロスで自分好みに変えられる。仕上げ方によって空間のイメージはかなり変わるだろう。
空間のギャップを楽しむ
廊下の扉手前までは基本は既存のまま、でも扉を開けると・・・ 訪れる人は、この普通の家の玄関を抜けて・・・
「L字型壁プラン」。ラーチ合板の壁は、住み手のアレンジ次第でいかようにも変わる。 ドアを開けるといきなり、こんなざっくり別空間を経験することになる。
これもリノベーションの、ありかたの一つだと思う。
特に90年代後半以降に建てられた賃貸マンションはまだ新しい。水回りは十分に使える。でもこの時代の内装の妙にバブルの残り香っぽい? 人工的ピカピカ感や作りもの感は、どうも僕らの世代には違和感がある。住み手のニーズやライフスタイルはどんどん変わっている。携帯電話もインターネットもなかった時代の部屋だ、価値観が違うのは当たり前。だとすれば、割り切って滞在時間の長いリビングダイニングだけ思い切って変えてみてはどうだろうか? 心地よい質感のフローリング、ラフな躯体素地現しの壁や天井、そして簡単に自分らしさを加えられる余地。
ここでの実験は決して賃貸マンションばかりに言えることではなく、分譲でも戸建住宅にも応用できると思う。選択と集中。全てを剥がしてキレイにかっこ良くすることだけが、リノベーションの選択肢ではないのだ。
モデルルームが9/15〜28までオープン!
こちらは「アクセントウォールプラン」のモデルルーム。合板の壁は一面可動棚に。 9/15から、今回ご紹介した2つのプランのモデルルームを公開!
自分でDIY、プチリノベーションを楽しむための建材や照明、パーツ、小物、職人さんがきてくれる施工サービス(※)をネット販売するR不動産のグループサイト『R不動産toolbox』をご存知だろうか?
(※ 現在、施工サービス対象エリアは東京近郊のみ。通販出来るものは全国対応。)
モデルルームでは、そのR不動産toolboxで扱っている商品を中心に、カスタマイズ可能な壁やこのお部屋の使い方の魅力的なアイデアを散りばめている。
例えばこんな商品・・・
むき出しの鉄(スチールラック)/切って貼って工作しよう(5mm厚の足場板)/棚の下の力持ち(棚受け金物 鉄200)/壁を編集する(可動収納棚)/ざらっと無骨な質感に(アイアン塗料)/テーブルをつくろう(テーブル脚)/鉄の表情がすき(アイアン小物 ウォールシェルフ1段)/実用主義のともしび(工業系照明 アームライト02)/角なく照らします(ガラスボール照明)/イロイロ迷って選ぶ幸せ(ベンジャミンムーアペイント)/生まれ変わった敷物(フェルトポット)/欲張りなタオル掛け(ハンガーバー 真鍮 銅)/壁に物語を(ウォールステッカーGARDEN ブラック)/小さな重鎮たち(真鍮金物 つまみ01)/なんだって黒板に(黒板塗料)
もはやtoolboxのショールーム!?
気になっていたあの商品、この商品もここに来れば実物をみられる。中にはまだ販売されていない未公開商品も!? リノベーションのヒント、DIYやカスタマイズのヒントとしても面白いモデルルームになっているので、ぜひ見に来て欲しい。
モデルルーム公開概要
※イベントは終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました!
期間:2012年9月15日〜18日、22〜28日
時間:
15、16、22、23日 10:00〜17:00
17日 10:00〜19:00
18日 13:00〜19:00
24〜28日 メールまたは電話にてお問い合わせ下さい。
住所:大阪府大阪市港区築港2丁目4番1号 コーシャハイツ港1号棟 304号室(アクセントウォールプラン)、1101号室(L字型壁プラン)