都市型『nLDK』論

＊条件改定しました（2025年8月4日）

いつしか定着した『nLDK』という間取りの構成原理と、n=部屋数が多いほど良いといった主に不動産市場での風潮。しばしば議論されるこの展開に、新しい可能性を秘めた一例を見つけました。

一般化した『nLDK』でもなく、奇抜な間取りの『脱nLDK』でもない、リノベーションによって生まれた合理的でフレキシブルな『nLDK』です。

目指したのは「家族のためのシェアハウス」というカタチ。完全に仕切ることなく、同じ空間を共有しながらも自分の居場所が持つことのできる、いわゆる一般的なn=個室とは異なる3つのスペースが配置された間取りになっています。

各スペースはデスクとキャビネットを備え、作業や寝るには必要十分な面積で構成。風が通り抜けるように各スペースを貫く道や共用廊下側の入り口にはドアはなく、程よく仕切られ、面積以上に開放感を感じさせてくれます。

カーテンなどで簡易的に間仕切ることで隣同士の距離感をコントロールでき、集中できる場所にもなるんだとか。今までは4人家族で生活をされていましたが、増えた在宅ワークの為のスペースとしても機能しそうです。

個室とLDKを繋ぐように敷き詰められたチークの無垢フローリングは、すでに約4年お住まいになっていたので良い味と少しのひび割れが現れています。もちろんメンテナンスも必要になりますが、暮らしていく中で経年変化を楽しんでいただけるかと。

躯体現しの天井に白を基調とした空間の中に存在感のあるモールテックス天板のキッチンが中心に。そんなキッチンに斜めに飲み込まれていくような家具調のキャビネットはデザインだけでなく、収納力も十分。スッキリとしたLDKが保てそうな予感がします。

バルコニーからは梅田スカイビルにあべのハルカスまで、大阪の縦軸を遮られることなく見渡せる眺望。13階の高さなので、床やソファーに座ると空だけが切り取られるのもこの部屋の特権です。カーテン要らずに昼間は照明要らずの、明るさと開放感でLDKの気持ち良さを演出してくれます。

江坂の閑静な住宅街に位置していて、住み良さは言うまでもなく、小・中学校も物件近く子育てにも向いているエリア。比較的な大きな企業が集積していることから転勤の方も多いんだとか。もし限られた物件探しの期間にここを見つけられたなら、それはもう、そういうことだと思うんです...。


変化するライフスタイルにフレキシブルに対応できるこの物件。面積の限られたマンションを、間取りの工夫で空間を余すことなく活かした、都市の暮らし方のひとつのコタエになり得そうです。

大胆な間取りに見えますが決して特殊解というわけでなく、ファミリーにはもちろん、寝室とは別に仕事や趣味の部屋を持ちたい1-2人の暮らしにも馴染む『nLDK』です。


＊分譲賃貸
＊退去時ハウスクリーニング代55,000円（税込）
＊1年未満の早期解約時違約金有(総賃料の 1ヶ月分)

＊ペット不可
＊室内禁煙
＊吹田南小学校区、 吹田市立第六中学校区