光と影の建築美学

安藤忠雄氏によって設計された初期住宅、大西邸（1979年竣工）。

帝塚山中という閑静な住宅街に馴染みながらも、目を惹く独特な空気感があります。

主たる構成としてフレーム型を採用し、立体格子の中に住空間を取り込んだ計画。
増築時の”ファサードの美しさ”まで考え抜かれた執念が伝わってきます。

水平に張り出したガレージ屋根に対して、隠れた中庭の空間を見つけた時、想像を超えた空間構成に驚きました。

そこには自然と建築を融和させた不思議な風景が広がっています。芝生を整えてあげると柱の影が斜面に写り、建築を通じて時の移ろいを感じることもできます。

竣工から約半世紀の間、施主家族が暮らし記憶を刻んできた住まい。外壁や屋上防水のメンテナンスは定期的にされていますが、室内はある程度手を入れてあげる必要があります。

巷では建物の老朽化などで近代建築の解体について話題になりますが、21世紀を駆け抜ける安藤忠雄氏の建築物は後世に継承すべき住宅だと思っています。

日本を代表する建築家の貴重な初期住宅を受け継ぎ、丁寧に住み継いでくださる方、お待ちしています。

✳︎設計：安藤忠雄建築研究所

✳︎売主居住中のため、
見学目的の内覧はご遠慮ください。

✳︎売主の契約不適合責任免責
✳︎設備修補請求無し

✳︎増築未登記あり：
23.01平米（3F）