路地裏のパイオニア

第二次世界大戦の空襲を免れた中崎町エリア。

梅田から歩いて行ける距離にありながら、ふと空気が変わるような、不思議な空気感があります。

戦後の区画整理を免れたこの街には、入り組んだ細い路地がそのまま残り、まるで迷路のよう。

その先に現れる木造の町家や長屋こそが、中崎町らしさです。

今回紹介するのは、そんな中崎町の一角にひっそりと佇む、一棟の木造家屋。

もともとは住居だった建物を、店舗へとコンバージョンした空間です。

古いのにどこか新しく、懐かしいのにどこかチャーミング。

そんな佇まいに、思わず足を止めて見惚れてしまいました。

実はこの建物、中崎町でまだ古民家を店舗として活用するという考え方が一般的でなかった頃に、いち早くコンバージョンされたもの。

古民家リノベーションカルチャーが根づく以前から、その流れをつくってきたパイオニア的な存在です。

以来、店主が代々バトンを受け継ぎ、今回で5代目。

ただ残されてきただけではなく、引き継がれてきた時間が、この建物にはしっかりと息づいています。

店内はロフトを含めて約30㎡のコンパクトなつくり。

とはいえ、客席部分は天井が吹き抜けになっており、実際に見ると数字以上の開放感があります。

緑に包まれたテラスや、座敷仕様のロフトスペースなど、小さな空間の中にさまざまな表情があるのも魅力のひとつです。

キッチンまわりには、冷蔵庫、製氷機、シンク、オーブンなどが残置物として残っています。
個人的には、すでに別のエリアでお店を営んでいる方の2号店としてもおすすめしたい物件です。

中崎町は、すでにカルチャーが根づいています。

その熱量を受け止めながら、さらに路地裏の通りを、新しい形で盛り上げてくれる方を募集します。

※営業時間制限有（近隣が住宅街のため要相談）
※店舗利用可（重飲食は要相談）
※家主審査有